• 親が亡くなり、請求書が多数届いたので、放棄がしたい。
  • 疎遠な親族が亡くなり、相続人であると言われたが、関わりたくない。
  • 債権者から突然手紙が来て、自分が相続人であることや債務があることを知った。

このような場合には、「相続放棄」という手続きをすることで、相続人の地位から外れることを検討します。
相続放棄は、法的な期限や「やってはいけない注意点」が多く存在します。ここでは、弁護士が担う役割とその重要性を解説します。

1. 代理人としての「相続放棄申述書」の提出、書類収集等

相続放棄には、法令にのっとった適式の「相続放棄申述書」の提出が必要で添付書類として、亡くなった方や放棄する方の戸籍謄本等を要求されます。

基本的な事ですが、相続放棄は法令上可能な期間が定められています。そのため、取戻しのつかないミスを避けるために、弁護士に依頼することが推奨されます。

また、裁判所、裁判体によって、相続放棄後、裁判所から照会書が届くケースもありますが、弁護士が相続放棄の申述後に裁判所から届く照会書への回答もアドバイスします。なお、弁護士の申立の場合には、省略する裁判所もあります。

  • 書類作成、書類収集: 相続放棄申述書の作成、添付書類の収集は、全て法律事務所が行います。
  • 裁判所からの照会: 弁護士が相続放棄の申述後に裁判所から届く照会書への回答もアドバイスします。

2. 「債権者の督促」への対処で心理的負担を軽減

債権者からの請求がある場合には、債権者の窓口として、受任通知を発送し、弁護士が対応します。
相続放棄申述の受理がされるまでの間には、一定期間がかかり、それまでの間、債権者からの照会に応じる必要がありますが、弁護士が債権者の対応をすることで心理的負担の軽減ができます。

  • 債権者からの請求に対処: 弁護士が債権者に対し、受任通知を発送し、債権者からの請求に対応します。

3.「単純承認」回避のためのアドバイス

相続放棄を検討している最中に、やってはいけない行動があります。これを単純承認と呼び、これを一度でも行うと、相続放棄ができなくなります。

弁護士は、受任直後から「単純承認と捉えられるリスクが高い行動」を避けるように法的なアドバイスします。
相続放棄における「単純承認」事由は、戦前から裁判例が積み重ねられていますが、グレーゾーンの行為も多く、弁護士であっても判断に迷うものも少なくありません。

弁護士はそれぞれの事情に応じて、アドバイスをします。

(法定単純承認)
民法第921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

4. いわゆる「期限後」の相続放棄にも対応可能

相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」ですが、「亡くなった日から3か月以内」に行うのが最も安全です。しかし、すでに亡くなってから3か月が経過したケースも多々見受けられます。

  • 亡くなってから半年後に督促状が届いた
  • 疎遠だったため、亡くなったことを知った時点で3か月が経過していた

このようなケースでは、亡くなったこと自体を知らなかった資料の提出、相続債務と熟慮期間に関する最高裁判決等を利用して、相続放棄の申述手続を進めることになります。